フリーランス美容師として働くには?リアルな働き方やデメリットをご紹介

フリーランス美容師

美容師業界は労働時間が長く、収入も伸びにくいためフリーランスに憧れをもつ方も多いでしょう。

しかしフリーランスの美容師として働く方法がわからなかったり、フリーランスとしてやっていけるのか不安になったりしますよね。

そこでこの記事ではフリーランスの美容師として働く方法から、フリーランスとして活躍している美容師の方などを紹介します。

この記事を読むことでフリーランスの美容師になるために何が必要なのか、明確になるでしょう。

目次

美容業界の現状とフリーランスとしての将来性

令和4年に行われた厚生労働省の調査によると、美容師の平均年収は約312万円※とされています。

「令和4年賃金構造基本統計調査」より、美容室の企業規模が10人以上で年齢がおよそ32歳時点での年収。

美容師は国家資格が必要な職業ですが医師や弁護士、栄養士、保育士といった国家資格が必要な職業のなかでも一番低い年収です。

また、ホットペッパービューティーが2023年に行った「美容サロン就業実態調査」によると、美容師離職率は46.5%にも及びます。

満足した雇用形態で働いている美容師は、少ないと言えるでしょう。

フリーランス美容師に転職する人は増加傾向

近年では美容業界を辞めるのではなく、フリーランスの美容師として転職する人が増加傾向にあります。

理由として昔に比べてSNSなどで集客がしやすい、面貸しやシェアサロンなどで小さく事業を始めやすいといったことが挙げられます。

2017年時点でフリーランスの美容師は全体の約11%※になっており、フリーランスとして活動しやすい環境が整ってきているので、今後も増加していくでしょう。

日経MJによると2017年時点でフリーランスの美容師は8万人を超えており、厚生労働省によると当時の美容師の従事者は約70万人ということから算出。

フリーランス美容師の年収

「フリーランス白書2019」によると、美容師を含む「職人・アーティスト系」の平均年収は次のようになっています。

引用:フリーランス白書2019

200万〜400万円未満が34.1%と一番割合が多く、金額だけで見ると一般の美容師と年収においては差がないように感じるでしょう。

しかしフリーランスの場合は成果がすべて自身の売上になるため、顧客が増えれば増えるほど高収入になるのが魅力です。

フリーランス美容師の働き方

フリーランスの美容師として働く方法を3つ紹介します。

  • 面貸し
  • 業務委託
  • シェアサロン

お店を開業するには多大な初期費用がかかるので、これから紹介する方法でリスクをおさえながら始めてみると良いでしょう。

面貸し

面貸しとは、他の美容師が経営しているサロンの空いた時間や席を借りて施術する方法のことです。

面貸しの契約は「売上に対する歩合」または「時間分の利用料金」が一般的です。

自分の店鋪を構えるまでの手段として、知人のサロンを借りるパターンもあります。

業務委託

業務委託とはサロンのオーナーに業務を依頼してもらい、仕事を行うことです。

業務委託として請け負う業務は接客や施術が中心で、事務作業や在庫管理、店内清掃などは美容室側が行うケースが多いでしょう。

業務委託は完全歩合が多く、売上に対して40〜60%程度のバック率が一般的です。

シェアサロン

シェアサロンとは、美容室の座席をレンタルできる施設のことです。

面貸しと違いシェアサロン内の席は、すべてレンタル用として用意されているので、フリーランス美容師に向けた施設と言えます。

シェアサロンの利用料金は、次の3つが一般的です。

【シェアサロンの利用料金】

  • 時間料金
  • 月額固定料金
  • 固定+歩合料金

フリーランス美容師のメリット・デメリット

正社員としてではなく、フリーランスの美容師として働く場合のメリット・デメリットは次のとおりです。

メリットデメリット
自由度が高くなる収入が不安定
施術した分だけ収入も増えるすべての作業を自分で行う必要がある
顧客はすべて自分のファンなのでモチベーションが上がるクレジットなどの審査に通りにくくなる

フリーランス美容師の最大の魅力は時間に縛られないこと、顧客を施術した分がそのまま自分の収入に直結することでしょう。

収入の増減は顧客数に左右されるので、収入が不安定なことはデメリットになります。

フリーランスとしてある程度安定した収入を確保したいのであれば、正社員として働いている間に自身のファンを増やすことが重要です。

フリーランス美容師おすすめのマッチングサービス

サロンとフリーランス美容師を、マッチングしてくれるサービスを紹介します。

マッチングサービスを活用すればサロンのオーナーに直接営業をかける必要なく施術の席を確保できるので、人脈が無い方でも安心して始められるでしょう。

AIR SALON

「AIR SALON」はスマホでサロンの見学申請や予約が簡単に行えるマッチングサービスで、対応エリアは以下のとおりです。

【対応エリア】

  • 北海道エリア
  • 東北エリア
  • 関東エリア
  • 東海エリア
  • 関西エリア

とくに関東や関西エリアで紹介されている店舗数が非常に多く、自分の好みに合ったサロンを見つけやすいサイトと言えるでしょう。

AIR SALONを見てみる

Lunapp

「Lunapp」は専用のアプリで、24時間いつでも予約が行えるマッチングサービスです。

全国の美容室やシェアサロンが検索できるだけでなく、美容室との契約書の締結もオンラインで完結するので手間なく、安心して仕事が行えます。

Lunappを見てみる

フリーランスに向いている美容師の特徴

正社員とフリーランスでは働き方が全く異なるため、向き不向きがあります。

次の3つに当てはまる方は、フリーランスの美容師として向いていると言えるでしょう。

  • 顧客を持っている
  • 自己管理能力がある人
  • 積極的に営業や宣伝ができる人

それぞれ詳しく解説します。

顧客を持っている

フリーランスの収入は自身の顧客数に比例しているため、指名顧客をすでに多く持っている人ほどフリーランスに向いていると言えます。

正社員として働いている期間が長く、施術スキルが高かったとしても顧客がいなければフリーランスになった際に収入が減ってしまうでしょう。

自己管理能力がある人

フリーランスになると施術に関する作業を全て自身で行うことはもちろんのこと、売上やスケジュール管理、確定申告といった作業も行わなければなりません。

スケジュールやお金の管理が苦手な方は、フリーランスとして活動するのは難しいでしょう。

積極的に営業や宣伝ができる人

フリーランスになると顧客獲得のためにSNSやWebサイト、必要であれば街頭で声掛けなど、積極的に営業や宣伝を行う必要があります。

フリーランスの場合は自身で売り込みをしない限り顧客がつくことはないため、営業や宣伝活動が苦手な方はフリーランスになっても収入が増えず、悩んでしまうでしょう。

フリーランスの美容師におすすめの集客方法

フリーランスの美容師におすすめの集客方法を紹介します。

  • SNSで発信をする
  • 顧客に紹介してもらう
  • チラシ配布やポスティングを行う

それぞれ解説します。

SNSで発信をする

フリーランス美容師の方に一番おすすめの集客方法は、SNSで発信することです。

とくにTikTokが美容師のカットやカラーリングのスキルを宣伝するには、相性の良いプラットフォームです。

TikTokをメインの集客方法として活用している美容師の方も非常に多いので、参考にしてみると良いでしょう。

顧客に紹介してもらう

すでに自身が担当している顧客に知人や家族などを紹介してもらう方法が、王道ですが非常に有効です。

紹介をした方はもちろんのこと、紹介された方も受けられる割引特典などを用意しておくと、積極的に紹介してくれるでしょう。

チラシ配布やポスティングを行う

地道な方法ではありますが、クーポン特典を付けたチラシを制作して街頭で配ったりポスティングをしたりする方法も重要です。

自身が活用するサロン周辺でチラシを配布することで、認知度もあがるでしょう。

TikTokやSNSで発信しておけば、チラシを配った方から「TikTok見てました!」という出会いが生まれることもあります。

フリーランス美容師の始め方や必要な準備

フリーランスの美容師は、次の手順で始められます。

  • 開業届を提出する
  • 保険や年金の手続きをする
  • 確定申告に向けて帳簿付けを行う

正社員からフリーランスの美容師になるために必要な準備など、あらかじめ把握しておきましょう。

開業届を提出する

フリーランスになるためには、開業届を税務署に提出しなければなりません。

開業届の提出期限は事業開始日から1ヶ月以内とされていますが、フリーランスに向けて準備をしている正社員時代に提出しても問題ありません。

開業届を税務署に提出する方法はいくつかありますが、おすすめはオンラインで手続きが完了する「e-Tax」です。

【開業届の提出方法】

  • 郵送で提出する
  • 税務署の窓口で提出する
  • 「e-Tax」で提出する⬅おすすめ

e-Taxを利用するためには「マイナンバーカード」が必要になるので、持っていない方は作成しておきましょう。

マイナンバーカード総合サイトでマイナンバーを申請する

また、節税を行うために青色申告承認申請書も同時に提出しましょう。

青色申告承認申請書を提出することで、最大65万円もの所得控除が受けられます。

開業届の記入方法や青色申告承認申請書に関する詳しい内容は「フリーランスの開業届を提出するメリットと記入方法」を参考にしてください。

保険や年金の手続きをする

美容室を退職したあとにやるべきことは、保険や年金など社会保険の変更手続きです。

厚生年金から国民年金へ、健康保険から国民健康保険へ加入手続きを行わなければなりません。

どちらも退職後、14日以内に手続きが必要なので期限に注意しましょう。

手続きはお住まいの市区役所の窓口で行います。

確定申告に向けて帳簿付けを行う

フリーランスになったら確定申告に向けて、日々の売上や経費などの帳簿付けが必要です。

帳簿付けや確定申告について知識が無くて不安な方は「オンライン会計ソフト」を活用しましょう。

オンライン会計ソフトを使えば、専門知識が無い方でも簡単に帳簿付けや確定申告ができます。

著者も簿記の知識はありませんでしたが、オンライン会計ソフトで帳簿付けや確定申告ができました。

オンライン会計ソフトはFreeeまたはマネーフォワードがおすすめです。

経費に関することや確定申告について詳しく知りたい方は「フリーランス向けの確定申告の書き方」を参考にしてください。

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フリーランス美容師は増加傾向にありSNSで集客をしやすい時代

正社員の美容師は離職率が非常に高く、その大きな原因として「収入の安さ」「激務」が挙げられます。

一方でフリーランスの美容師が増加傾向にある要因として「昔に比べてSNSで集客がしやすくなった」「シェアサロンなどの普及でフリーランスとして活動しやすくなった」といった背景が考えられます。

今後の働き方を考えている美容師の方は、正社員時代からTikTokやSNSを活用してファンを増やしていけば、安心してフリーランスを目指せるでしょう。

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