フリーランスは確定申告が必要!初めてでもできるやり方と必要書類一覧

フリーランスの確定申告の書き方
  • 確定申告に必要な書類は何?
  • 確定申告のやり方がわからない
  • 確定申告ってやらないとだめなの?

フリーランスになって初めて確定申告をする場合、何を用意したらいいのか、具体的な方法がわからずに悩んでしまいますよね。

フリーランス4年目の著者も、初めて確定申告をしたときは不安や悩みでいっぱいでした。

そこでこの記事では、確定申告を初めてする方でも安心して申請できるように確定申告の方法を具体的にまとめました。

【この記事でわかること】

  • 確定申告が必要な人
  • 確定申告で経費にできるもの・できないもの
  • 確定申告書の作成から提出までの流れ
  • 困った場合の相談先

フリーランスの方は収入の金額に関係なく、確定申告をしましょう。

なぜなら、確定申告をしないと損をしてしまうからです。

この記事を読んで、損をしない確定申告の申請を行いましょう。

目次

確定申告とは所得税を納税する手続きのこと

確定申告とは、1月から12月までの1年間の所得に対して発生する「所得税」を納税する手続きのことです。

会社員の場合は、給料を支払っている会社が代わりに手続きをしてくれています。

しかし個人事業主であるフリーランスは、自分で確定申告をして所得税を納税しなければなりません。

フリーランスは確定申告が必要

フリーランスとして事業をしている以上、確定申告は原則しなければなりません

確定申告をしなかった場合、課せられるペナルティやリスクは非常に大きいです。

【ペナルティやリスク】

  • 収入の証明が出来ない
  • 追加で税金が取られる
  • 受けられる控除が減る
  • 悪質な場合は刑事罰になる

確定申告は必ず行いましょう。

事業所得が48万円以下の場合はしなくても良い

年間の事業所得が48万円以下の場合は、確定申告をしなくてもペナルティはありません

なぜなら48万円の「基礎控除※」が差し引かれることで、所得税が発生しないからです。

※基礎控除は誰でも受けられる48万円分の控除です。

所得税は、収入から経費や控除を差し引いた事業所得にかかります。

例えばフリーランスとして年間50万円の収入があり、経費で10万円の支出があった場合。

▶収入500,000円 ー 経費100,000円 = 400,000円(事業所得)

40万円の事業所得に対して48万円の基礎控除が差し引かれるため所得が0円になり、所得税が発生しないため、確定申告をしなくてもペナルティはありません。

しかし事業所得が少なかったり、赤字だったりしてもメリットが多いため確定申告をしましょう。

フリーランスが確定申告をするメリット・デメリット

フリーランスが確定申告をするメリットやデメリットは、次のとおりです。

【メリット】

  • メリット1:節税ができる
  • メリット2:収入証明になる
  • メリット3:赤字が繰り越せる

【デメリット】

  • 帳簿付けの手間が増える

それぞれ解説します。

メリット1:節税ができる

フリーランスは確定申告で税金をコントロールし、節税できることが大きなメリットです。

会社員の場合は経費が使えなかったり、利用できる控除が少なかったり節税効果が小さいです。

例えばフリーランスが利用できる大きな控除に「青色申告特別控除」があります。

青色申告特別控除は最大65万円分の所得控除が受けられるため、節税効果が非常に大きいです。

利用できる控除や経費を使って節税できることが、確定申告をする大きなメリットと言えるでしょう。

メリット2:収入証明になる

確定申告を行っていれば、収入の証明書をすぐに取得できるのがメリットです。

フリーランスの場合は安定した収入の証明ができないため、住宅の契約が難しかったり融資を受けられなかったりします。

確定申告を行っていると所得証明書の発行ができるため、収入の証明が必要な場合でも心配ありません。

メリット3:赤字が繰り越せる

事業所得が赤字だった場合でも、翌年に赤字を繰り越せるのが確定申告のメリットです。

赤字は翌年以降、黒字の所得が発生した場合に差し引けます。

例えば昨年の確定申告で100万円の赤字が発生し、今年は150万円の事業所得が得られた場合。

▶今年の所得1,500,000 ー 昨年の赤字1,000,000 = 500,000

今年の所得税は50万円にかかります。

事業所得が赤字だった場合は確定申告をしなくても大丈夫ですが、翌年黒字でも赤字繰り越しが利用できません。

所得がいかなる場合でも、フリーランスは確定申告をしておくのがおすすめです。

注意点として白色申告の場合は赤字繰り越しが適用されないため、青色申告で確定申告を提出しましょう。

デメリット:帳簿付けの手間が増える

確定申告をした場合のデメリットは、経費や収入といった帳簿付けの手間が増えることでしょう。

節税効果の大きい青色申告で申請する場合は「複式簿記」という形式で帳簿付けをしなければなりません。

帳簿に慣れないうちは時間や手間が非常にかかる作業です。

しかし会計ソフトを活用すれば、簿記の知識が無い方でも家計簿を付けるような感覚で簡単に帳簿付けができます。

フリーランスが経費にできるもの

経費の判断に悩む方も多いですが、事業に関係した出費は全て経費に計上できます。

例えば仕事に使うパソコンの購入費用はもちろんのこと、店舗に向かうために利用した電車の運賃も経費です。

経費にできるものと、経費として分類される科目の一例を紹介します。

【経費に計上できるもの一例】

勘定科目具体例
水道光熱費事務所の水道やガス、電気など
(自宅と事務所が兼用でも計上可能)
通信費スマホの電話代やインターネット料金
広告宣伝費名刺の作成費用など
接待交際費顧客との飲食費用など
消耗品費事務用品など
減価償却費パソコンなど高額な費用
地代家賃事務所の家賃など(自宅と事務所が兼用でも計上可能)
雑費どの項目にも当てはまらない少額の費用

経費にする場合はレシートや領収書など、証明できるものを必ず保管しなければなりません。

また、自宅の一角を作業スペースとして利用するなど、プライベートと事業が混在している場合は「かかった全体の費用から事業として使っている分」を、家事按分という項目で経費計上できます。

例えば家賃が5万円で間取りの半分を事業スペースとして利用している場合は、2万5千円が家事按分として経費にできます。

フリーランスが経費にできないもの

フリーランスが経費にできないものは、事業にまったく関係ない出費全てです。

例えば、個人的な趣味で購入した漫画やCDなどは経費にできません。

【経費にできないもの一例】

  • 国民年金
  • 健康保険料
  • 所得税や住民税
  • 事業に関連しないもの全て

確定申告の種類

確定申告の種類は大きく2種類に分かれます。

【確定申告の種類】

  • 申告が簡単「白色申告」
  • 節税効果が大きい「青色申告」

 それぞれ特徴を解説します。

申告が簡単「白色申告」

白色申告は帳簿付けや申告が簡単なため、経理作業が苦手な方や簿記の知識が無くて不安な方は、白色申告が良いかも知れません。

しかし、特別控除が一切受けられなかったり赤字を繰り越せなかったり節税効果が低いことがデメリットです。

確定申告のメリットが無くなってしまうため、白色申告はおすすめしません

節税効果が大きい「青色申告」

青色申告は最大65万円の特別控除が受けられたり、赤字が繰り越せたりと節税効果が非常に高くおすすめです。

ただし「複式簿記」で帳簿を付けなければ、最大65万円の特別控除は受けられません。

簿記の知識が無い方や初めて確定申告をする方は、複式簿記での帳簿が難しく感じるでしょう。

しかしオンライン会計ソフトを活用すれば、簿記の知識が無くても簡単に記入できます。

確定申告は青色申告で申請しましょう。

青色申告は事前申請が必要

青色申告は事前に「青色申告承認申請書」を提出しなければ利用できません。

青色申告承認申請書の提出期限は、原則開業届に記載されている開業日から2ヶ月以内です。

【青色申告承認申請書の提出期限】

  • 開業日から2ヶ月以内
  • 1月1日〜1月15日の間に開業した場合は、その年の3月15日まで

申請忘れをしないためにも、青色申告承認申請書は開業届と同時に提出しましょう。

期限を過ぎてしまった場合、その年の確定申告は白色申告でしか申請できないため注意してください。

青色申告承認申請書は国税庁のホームページからダウンロード、又は所轄の税務署窓口でもらえます。

管轄の税務署を調べるなら

▶️国税庁HP:税務署を調べる

確定申告の提出期限は3月15日

確定申告の提出期限は、申告する年の翌年2月16日〜3月15日までです。

3月15日が土日の場合は、月曜日が期限になります。

万が一、災害やその他やむを得ない理由などで期限内に確定申告が難しい場合は、期限の延長申請が行なえます。

延長できる期間は、やむを得ない事由がやんだ日から2ヶ月以内です。

延長の対象になる方や審査基準など、詳しくは国税庁のホームページから確認しましょう。

確定申告書を作成する方法

確定申告書を作成する方法は3つあります。

【確定申告を作成する方法】

  • 手書きで作成
  • 会計ソフトで作成
  • 確定申告書作成コーナーで作成

注意点として、青色申告のメリットである特別控除の65万円を受けるには「会計ソフト」又は「確定申告書作成コーナー」で作成し、e-Taxで電子申請しなければなりません。

【最大65万円の特別控除を受けるための条件】

  • 複式簿記で記帳している
  • 決められた期限内に確定申告をする
  • e-Taxによる電子申告又は電子帳簿保存をしている
  • 事業所得または不動産所得を得る事業を行っている

白色申告は基本的にメリットがないため、青色申告での作成方法について、それぞれ紹介します。

手書きで作成

手書きで青色申告をする場合、まずは確定申告書を入手しましょう。

【確定申告書を入手する方法】

  • 税務署から郵送してもらう
  • 所轄の税務署や自治体の税務課窓口受け取り
  • 国税庁のホームページからダウンロードして印刷

手書きで確定申告書を作成する場合、計算ミスや記入ミスの可能性が高いため、初めて確定申告をする方や簿記の知識が無い方はおすすめしません。

会計ソフトで作成

簿記の知識が無い方でも簡単に確定申告できるため、フリーランスの確定申告は会計ソフトでの作成が一番おすすめです。

会計ソフトの場合、確定申告書は日々の帳簿付けから自動的にデータが記入されるため、計算ミスや記入ミスの心配もありません。

帳簿付けも家計簿を付ける感覚で入力できるため、確定申告書の作成は非常に簡単です。

確定申告書作成コーナーで作成

出典:国税庁HP

国税庁の「確定申告書作成コーナー」で作成する場合も会計ソフト同様に、画面の指示に従って入力するだけで確定申告書が作成できます。

確定申告書が完成すると、そのまま画面に従うだけで確定申告の申請も行えます。

しかし入力しなければならない項目が非常に多く、初めて確定申告をする方は悩んでしまうかもしれません。

確定申告書を提出する方法

確定申告を提出する方法は3つあります。

【確定申告書を提出する方法】

  • 郵送で提出
  • e-Taxで提出
  • 税務署窓口で提出

それぞれ解説します。

郵送で提出

郵送は窓口で提出する時間が無い方でも、手軽に提出できるのが魅力です。

郵送で提出する際、必要な書類は主に次のとおりです。

【同封する書類】

  • 本人確認書類
  • 確定申告書B
  • 青色申告決算書
  • 切手を貼った返信用の封筒
  • 控除証明書や源泉徴収書など

書類が用意できたらA4サイズが入る「角形2号」の封筒を用意し、宛名は管轄の税務署の住所を書きます。

管轄の税務署を調べるなら

▶️国税庁HP:税務署を調べる

郵送方法は「普通郵便」で問題ありません。

確定申告書が税務署に確実に届いたことを知りたい方は、レターパックや簡易書留、特定記録郵便が良いでしょう。

郵送での期限は、申告期限当日の消印まで有効です。

e-Taxで提出

出典:e-TaxHP

青色申告で最大65万円の特別控除が受けられるのは、e-Taxで提出した場合のみです。

e-Taxで提出する場合、必要なものは次のとおりです。

【e-Taxで必要なもの】

  • スマホ
  • 利用者識別番号
  • マイナンバーカード
  • マイナポータルアプリ

e-Taxで提出する場合、スマホがマイナポータルアプリに対応していなければいけません。

よほど古いスマホで無い限り問題ありませんが、マイナポータルのホームページで確認しましょう。

利用者識別番号は、e-Taxを利用するために必要な番号で、e-Taxのホームページから取得できます。

e-Taxで確定申告を行う場合の手順は「確定申告書作成コーナー」で確定申告書を作成し、画面の指示に従うだけで申請が完了します。

オンライン会計ソフトを活用すれば、会計ソフト内の指示に従うだけでe-Taxでの提出が完了するため、確定申告が初めてで不安な方におすすめです。

税務署窓口で提出

窓口で提出する場合、提出書類が揃っているか確認してもらえるため、初めて確定申告をする方でも安心です。

必要な書類は郵送とほぼ変わりません。

【必要書類】

  • 本人確認書類
  • 確定申告書B
  • 青色申告決算書
  • 控除証明書や源泉徴収書など

必要な書類を持って管轄の税務署窓口に提出するだけなので、提出方法としては一番簡単です。

管轄の税務署を調べるなら

▶️国税庁HP:税務署を調べる

確定申告の期限が近い場合、窓口が混雑するため余裕を持って提出しましょう。

フリーランスが確定申告で困った場合の相談先

確定申告について困った場合の相談先を3つ紹介します。

【確定申告の相談先】

  • 税務署
  • 税理士
  • 国税庁のチャットボット

身近に確定申告について詳しい方がいない場合、これから紹介する相談先を利用してみましょう。

税務署

開庁日であれば税務署でも、確定申告の相談が無料でできます。

【開庁日】

月曜日から金曜日(祝日等を除く)の午前8時30分から午後5時

窓口に行くのが難しい方は、電話でも相談が可能です。

管轄の税務署を調べるなら

▶️国税庁HP:税務署を調べる

確定申告の時期になると、特設会場で相談会が開催されることもあります。

国税庁のホームページ「その他のお知らせ」をチェックしてみると良いでしょう。

税理士

税理士会が不定期で開催している無料税務相談会や、電話による無料相談も困ったときに活用してみましょう。

無料相談会が開催される場合は、お近くの税理士会のホームページで確認できます。

税理士会の管轄を調べるなら

▶日本税理士会連合会HP:税理士会を調べる

また、電話でも税理士に無料相談ができます。

▶公益財団法人日本税務研究センターHP:税理士に相談する

【電話相談の受付日】

  • 月曜日から金曜日
  • 午前10時から11時45分及び午後1時から2時45分まで

国税庁のチャットボット

出典:国税庁HP

国税庁が運営しているチャットボット「税務職員ふたば」を活用すれば、24時間いつでも無料で税金に関する質問ができます。

【質問できることの一例】

  • e-Taxに関すること
  • 所得税に関すること
  • 消費税に関すること
  • 年末調整に関すること

確定申告に関する悩みはほとんど解決できるため、まずはチャットボットに聞いてみると良いでしょう。

フリーランスの確定申告に関するよくある質問

フリーランスの確定申告に関する、よくある質問を3つ紹介します。

【よくある質問】

  • レシートは経費になりませんか?
  • 確定申告をしないとどうなりますか?
  • 確定申告は収入いくらから必要ですか?

それぞれ回答します。

レシートは経費になりませんか?

レシートでも経費にできます。

支払った証明ができるものであれば、領収書やレシートどちらでも問題ありません。

確定申告をしないとどうなりますか?

追加で税金を納めることになったり、特別控除の金額が少なくなったりします。

さらに最悪の場合、罰せられる可能性もあります。

確定申告は収入いくらから必要ですか?

フリーランスの場合、年間の事業所得が48万円を超えた場合は確定申告が必要です。

年間の事業所得が48万円以下の場合でも、赤字が繰り越せるなど節税効果があるため確定申告をしておきましょう。

まとめ

フリーランスが確定申告をする必要性、具体的な方法などを紹介しました。

オンライン会計ソフトなら家計簿感覚で帳簿付けをするだけで、確定申告に必要な書類は自動でデータを記入し、作成してくれるからおすすめです。

著者が初めて確定申告をしたときも、オンライン会計ソフトの画面の指示に従うだけだったので、つまづくことなく申請できたのを覚えています。

初めて確定申告をする方や、普段の帳簿付けに自信が無い方はオンライン会計ソフトを利用してみると良いでしょう。

申請期限の3月15日ギリギリにならないように、余裕を持って提出しましょう。

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