フリーランスの本業が忙しくなり事務作業の外部委託を考えた際に、次のような悩みや疑問を感じている方は多いでしょう。
- 事務代行の費用相場は?
- 事務代行はどんなことに注意すべき?
- 事務代行はどんな業務を任せられるの?
そこでこの記事では事務代行に任せられる業務内容や費用相場、事務代行を活用する際の注意点などをまとめました。
この記事を読むことで、あなたに適切な事務代行が見つかります。
フリーランスがやらなくてはならない事務作業
フリーランスになると本業以外にも、さまざまな事務作業をこなさなければなりません。
例えばWebライターやブロガーとして活動している場合、こんな事務作業が必要です。
- 売上や経費などの仕訳業務
- 確定申告に向けた書類の作成や提出
- 個人に業務を依頼する場合の業務委託契約書の締結
- 記事作成をWebライターに依頼した場合の発注書の作成
- 記事作成を依頼してくれたクライアントに対して請求書の作成
売上や経費などの仕訳業務は慣れてくると1週間に1回の作業で、30分もあれば行えます。
手間がかかってしまうのは、発注書や見積書の作成です。
実際に稼働した作業(依頼した作業)に間違いが無いかチェックをする必要があるので、月末や月初は事務作業が多くなると言えるでしょう。
事務代行で任せられる業務内容
事務代行で任せられる業務は多岐に渡るので、ここではフリーランスが事務代行に任せることの多い業務の例を紹介します。
- 仕訳業務
- 在庫管理
- メール対応
- データ入力
- リサーチ業務
- 見積書・請求書作成
事務代行に任せる業務として多いのは、経費や売上の入力といった仕訳業務でしょう。
注意しなければならないのは確定申告をするための税金の計算や書類の作成、提出は税理士しか行えない点です。
例えば税理士の資格を持っていない家族に対して、日々の売上や経費の入力は依頼できますが、確定申告の書類や税金の計算、提出は自分自身で行わなければなりません。
確定申告に関する業務も依頼したいのであれば、税理士に依頼する、もしくは税理士と提携をしている事務代行サービスを活用しましょう。
事務代行サービスの費用相場
事務代行サービスには大きく「固定制」「従量課金制」の2つで料金体系が分けられます。
それぞれの費用相場やメリット・デメリットを紹介します。
固定制
固定制はあらかじめ1ヶ月の稼働時間が定められていたり、決まった業務内容のみを行ったりする料金体系です。
1ヶ月の稼働時間で契約する場合、稼働時間に対する費用の相場は次のようになります。
稼働時間 | 料金 |
---|---|
20時間 | 5万円 |
30時間 | 8万円 |
50時間 | 12万円 |
稼働時間で契約したら毎月の出費は把握しやすいというメリットがある一方で、契約した稼働時間を越えたあとは、自分で作業を行わなければならないというデメリットがあります。
また業務を行う人によって作業スピードが違うので「想像よりも業務が進んでいない」といったこともあり得るでしょう。
従量課金制
従量課金制は、作業を行った数や作業時間に対して報酬を支払う料金体系です。
例えば見積書や請求書といった書類作成を作成してもらう場合に、1枚あたりの金額を設定して作成した分だけ報酬を支払います。
1つの作業あたりの費用や作業時間に対する費用の相場は、次のとおりです。
計算方法 | 必要な費用の例 | |
---|---|---|
従量制 | 1つの作業あたりの費用 × 業務数 | 書類1枚あたり150円50枚作成 × 150円=7,500円 |
時給制 | 時給 × 稼働時間 | 時給2,000円2,000円 × 20時間=40,000円 |
従量課金制は、無駄な出費を抑えやすいのが魅力ですが、報酬を計算するための業務数や業務時間を管理する手間が増えるのはデメリットと言えるでしょう。
フリーランスが事務代行を活用するメリット
フリーランスが事務代行を活用するメリットを2つ紹介します。
- 悩みや不安がなくなる
- 本業に費やせる時間が増える
とくにフリーランスになって間もない方、フリーランスの本業が忙しくなって事務作業に手を付けられない方は事務代行を活用する良い機会と言えるでしょう。
悩みや不安がなくなる
事務代行を活用することで、経理関連の悩みや不安がなくなることがメリットです。
帳簿付けや確定申告というのは慣れていない方にとって、次々に疑問点が出てくる作業です。
例えば仕訳作業ひとつとっても「この経費は何の勘定科目で記載するのだろう」という疑問が生まれて調べる必要がでてくるでしょう。
事務代行を活用することで「これで大丈夫なのかな」という不安や悩み事から開放されます。
本業に費やせる時間が増える
事務代行を活用することで、本業に費やせる時間が増えることは大きなメリットと言えるでしょう。
日々の帳簿付けや請求書の作成、確定申告など、経理作業は売上増加に直接関係しないものの結構時間が取られてしまいます。
例えば確定申告直前の2月ぐらいから「確定申告に間に合わない!」というフリーランスの方が、毎年少なからず出てきます。
そんなときに仕事の依頼がきたら、寝る時間を削って作業をする必要も出てくるでしょう。
事務代行を活用すれば事務作業のタスクから開放されるため、本業に集中して業績アップにも繋がりやすくなります。
フリーランスが事務代行を活用するデメリット
フリーランスが事務代行を活用するデメリットも2つ紹介します。
- 経理の知識が身につかない
- ランニングコストが増加する
デメリットをしっかりと理解して「本当に今、事務代行を活用するべきなのか」ということも考えるようにしましょう。
経理の知識が身につかない
経理業務の経験や知識が無い状態で事務代行を活用した場合、経理の知識が身についていかないことがデメリットです。
帳簿付けを自分で行えば、事業を運営しているなかで「どんな費用がかかっているのか」といった財政が把握できます。
フリーランスになったばかりで帳簿付けなどの知識が無いままに事務代行を活用すると、自分の事業において「何に、どれくらいの費用をかけているのか」ということがわからないままになってしまうでしょう。
また、フリーランスは毎年3月の確定申告のときに所得税を納税するため、収入から所得税分を貯蓄しておかなければ所得税の支払いができなくなってしまいます。
たまに「所得税を支払えずに財産が差し押さえられる」というニュースが流れますが、これは事業の財政を把握できていないことが原因です。
経理業務の経験や知識の無い方が事務代行を活用する場合、業務は任せても簿記などの知識を身につける努力は必要でしょう。
ランニングコストが増加する
事務代行の利用を始めるとやめられず、毎月のランニングコストが増加することもデメリットと言えます。
事務代行を活用すれば本業に向き合える時間が増加したり、悩みなどから開放されるため「依頼をやめる」という判断はしなくなるでしょう。
しかし収入がそこまで多くない時期のフリーランスにとって、毎月何千円〜何万円という出費は高額です。
「事務代行は便利だけど毎月の出費が気になる」という方は、まだ事務代行を活用するタイミングでは無いと言えます。
自身の時間単価を計算して「事務代行を活用して浮いた時間で、事務代行の費用以上の収入が得られる」という結論が出たのであれば、活用すると良いでしょう。
フリーランスが事務代行サービスを探す方法
事務代行を探す方法は、大きく2つに分けられます。
- クラウドソーシングで依頼する
- 事務代行サービスを提供している企業に依頼する
どちらもメリット・デメリットがあるので、自分の目的に合った方法で事務代行を探しましょう。
クラウドソーシングで依頼する
オンラインで仕事を受発注するクラウドソーシングを活用すれば、事務代行を行ってくれる個人の方に依頼ができます。
クラウドソーシングのメリット | クラウドソーシングのデメリット |
---|---|
コストを抑えられる予算に合わせた人材が見つかりやすいイレギュラーな業務も柔軟に対応してくれる | 人材によって業務品質にバラツキがある納期や作業スピードが担保されない |
クラウドソーシングのメリットは費用に合わせた人材が見つかりやすい一方で、人材によって業務の質や作業スピードが左右されやすいというデメリットがあります。
事務代行を探すのであれば『クラウドワークス』がおすすめです。
事務代行サービスを提供している企業に依頼する
クラウドソーシングで依頼した場合のデメリットが気になる方は、企業が提供している事務代行サービスを活用すると良いでしょう。
事務代行サービスのメリット | 事務代行サービスのデメリット |
---|---|
業務品質や納期が担保されている任せられる業務の幅が広い | コミュニケーションがとりづらい業務内容を柔軟に対応してもらえない |
事務代行サービスのメリットは安心して業務を任せられることですが、イレギュラーで発生した業務には対応してもらえない点はデメリットといえるでしょう。
おすすめの事務代行サービスを5つ、紹介いたします。
経理カイホー
仕訳業務を事務代行に依頼したい方は『経理カイホー』というサービスがピッタリです。
経理カイホーは事務代行のなかでも経理業務のみを取り扱っているため、費用を安く抑えられます。
経理カイホー | |
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料金 | 登録料金:5,500円月額料金:6,600円(仕訳数に上限なし)(売上が2,000万円を越えた翌年は4,400円追加される) |
業務内容 | 仕訳業務確定申告(追加オプション) |
※2024年3月現在の料金(すべて税込)
税理士と提携しているため、追加オプションをつければ確定申告も行ってくれます。
経理業務の負担を軽くしたい方であれば経理カイホーを検討してみましょう。
HELP YOU
事務的な業務だけでなく、本業のちょっとした業務も依頼したい方はHELP YOUがおすすめです。
HELP YOUは任せたい業務に合わせて平均5名のチームを作るため、幅広い業務のサポートを行ってくれます。
HELP YOU | |
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料金 | 【チームプラン】月額料金:10万円実働時間:30時間契約期間:6ヶ月 |
業務内容(一例) | 経理業務資料作成SNS運用ライティングリサーチ |
※2024年3月現在の料金
本業に関する業務も依頼したい方は、HELP YOUを検討してみましょう。
フジ子さん
「無料お試し」が利用できる事務代行サービスを探している方は「フジ子さん」がおすすめです。
フジ子さんは事務代行サービスの中でも珍しく2時間分の無料トライアルが利用できます。
フジ子さん | |
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料金 | 【PLAN20】月額料金:57,000円(税抜)実働時間:20時間契約期間:1ヶ月(自動更新) |
業務内容(一例) | 経理業務資料作成振込、支払い補助代行リサーチ業務SNS運用代行 |
※2024年3月現在の料金
「どんな人材がサポートしてくれるのか不安」という方は、フジ子さんの無料トライアルを使ってみましょう。
タスカル
外注する業務量がそこまで多くない方は、タスカルがおすすめです。
タスカルなら基本の稼働時間が10時間なので、フリーランスの方が利用するには丁度良い料金といえるでしょう。
タスカル | |
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料金 | 【3ヶ月プラン】月額料金:44,000円実働時間:10時間 【年間プラン】月額料金:27,500円実働時間:10時間 |
業務内容(一例) | 経理記帳請求書発行振込処理・入金確認リサーチ業務Web制作Webデザインライティング |
※2024年3月現在の料金
年間プランを活用すれば1時間あたり2,750円と、非常にコスパが良くなります。
Radice
外注する予定の業務量にバラツキがあり、料金プランに悩む方はRadiceがおすすめです。
Radiceなら契約期間の縛りが無く、業務量の増減によって毎月プランを変更できるので無駄な費用を抑えられます。
Radice | |
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料金 | 【12時間】月額料金:35,000円 【20時間】月額料金:55,500円 【30時間】月額料金:82,000円 |
業務内容(一例) | クラウド会計ソフトへの仕訳入力請求書作成経費精算・入力WordPress記事投稿・更新デザイン制作画像の作成 |
※2024年3月現在の料金(すべて税抜)
業務量に応じて必要な時間だけ依頼したい方は、Radiceを検討してみましょう。
事務代行を依頼する際の注意点
事務代行を依頼する際に、注意するべき点について紹介します。
- 業務委託契約書を作成する
- 業務内容を把握しておく
- 税理士資格の有無を確認しておく
依頼したあとでトラブルにならないためにも、注意点を把握しておきましょう。
業務委託契約書を作成する
クラウドソーシングなどで個人に事務代行を依頼する場合、業務委託契約書を作成してお互いにサインを行うようにしましょう。
契約書にサインをしてもらうことで、依頼した相手に業務責任が発生するからです。
また報酬についても契約書に記載しておくことで、依頼した相手も安心して業務が行えます。
個人に事務代行を依頼する場合は、お互いの信頼関係を保つためにも業務委託契約書を作成しましょう。
業務内容を把握しておく
事務代行を利用する際はどこまで行ってくれるのか、業務内容を把握しておきましょう。
業務内容を把握しておかないと、思わぬトラブルにつながるからです。
例えば業務内容が「電子取引された支出や収入の仕訳業務」だった場合、現金で支払った経費の帳簿付けは自分で行わなければなりません。
業務内容を把握していなかったら「現金で支払った経費も帳簿付けしてもらえるだろう」と勘違いしてしまい、依頼した相手とトラブルになってしまいます。
税理士資格の有無を確認しておく
とくにクラウドソーシングで事務代行を依頼する場合は、相手が税理士の資格を持っているのか、確認しておきましょう。
税理士資格を持っていない人に確定申告に関する書類や提出を行ってもらうと、違法となり罰せられる可能性があるからです。
確定申告の業務も依頼したいのであれば、税理士資格を持っているのか必ず確認するようにしてください。
事務代行を活用してフリーランスの本業に集中しましょう
フリーランスが事務代行を活用することで、本業に集中できる時間が増えて収入アップやキャリアアップなどに繋がります。
事務代行を行ってくれる人材を探すのであればクラウドワークス、仕訳業務の事務代行サービスを探しているのであれば、経理カイホーがおすすめです。
事務代行の費用は決して安いものではないので、自分の時間単価を計算して「事務代行を活用して今以上に稼げるのか」ということも考慮するようにしましょう。
クラウドソーシングで事務代行を探すなら
経理業務のみを事務代行で依頼するなら