フリーランス経理のなり方|必要な資格やスキル、実際の案件獲得や勉強方法まで

フリーランス経理

フリーランスとして経理関係で働きたいと思った時に、こんな悩みや不安を抱く方も多いでしょう。

  • 未経験でも稼げるのかな?
  • どうやって案件を獲得するんだろう?
  • フリーランスの経理に必要なスキルはあるのかな?

そこでこの記事ではフリーランス経理の需要や必要なスキル、未経験でも案件獲得が可能な方法についてまとめました。

知識ゼロの著者が簿記3級を取得した勉強法も紹介しているので、とくに経理未経験の方は必ずチェックしましょう。

目次

フリーランス経理の現状と将来性

2023年の調査によると「事務・バックオフィス系」の職種を主な収入源にしているフリーランスは全体の約4.6%程度です。

主な収入源となる職種割合
クリエイティブ・Web・フォト系26.6%
エンジニア・技術開発系14.8%
出版・メディア系9.9%
コンサルティング系7.9%
通訳翻訳系7.3%
事務・バックオフィス系4.6%
フリーランス白書2023より引用

経理は4.6%のなかに含まれているので、さらに割合は小さいといえるでしょう。

フリーランス全体として割合が少ないので「あまり需要が無いのかな」と悲嘆的になってしまうかもしれませんが、心配ありません。

なぜなら経理関係の業務をアウトソーシング(外注化)したいと思っている、すでにやっている企業が多いからです。

従業員100〜1,000人の企業の経営者や経理財務責任者1,025人を対象に行った調査によると、次のような結果になっています。

【ご自身の会社の管理業務でアウトソーシングしているものはありますか?】

  • はい:68.3%
  • いいえ:31.7%

【どの業務をアウトソーシングしていますか?】

  • 経理:38.4%
  • 会計:37.3%
  • 税務:32.7%

【今後アウトソーシングしたい管理業務を教えてください】

  • 経理:34.2%
  • 会計:31.0%
  • 税務:28.3%

PRTIMESより引用

データからわかるように「経理業務を外注化していきたい」という中小企業は多い傾向にあるので、しっかりとスキルを身につけていけば誰でも需要のあるフリーランス経理になれるといえるでしょう。

フリーランス経理の平均年収

経理を含んだバックオフィス職の場合、平均年収は400万〜600万円※ほどです。

SOKUDANより参照

フリーランス全体の平均年収は200万〜400万の割合がもっとも多いので、フリーランスの中では高めといえるでしょう。

現在の収入回答数
200万円未満218
200〜400万円未満331
400〜600万円未満198
600〜800万円未満135
800〜1,000万円未満106
1,000万円以上102
1,090
フリーランス白書2022より引用

フリーランス経理の仕事内容

一般的にフリーランス経理の仕事内容は、お金に関わる作業や管理全般を行います。

【経理の仕事例】

  • 給与計算
  • 入出金の管理
  • 決算関連の業務
  • 年末調整の業務
  • 会計ソフトへの記帳
  • 売掛金や買掛金の管理
  • 領収書や伝票などの整理

他にも立ち上げたばかりの企業や個人の方に対して、経理関係のアドバイスを行ったりもします。

既に会社で経理担当をされている方であれば、とくに問題なくフリーランスとしても業務をこなしていけるでしょう。

フリーランス経理に求められる資格やスキル

経理未経験の方が資格もスキルも無く、いきなりフリーランス経理として仕事を獲得するのは難しいです。

フリーランス経理として仕事を獲得するには、一般的には次のような資格やスキルを求められるでしょう。

  • 日商簿記2級以上
  • ITリテラシー(とくに資料の管理方法やパスワード管理などの徹底)
  • パソコンスキル(ExcelやWordといったビジネスツールを含む)

経理業務に資格は必要ありませんが日商簿記2級以上を持っていたほうが、依頼する側としては安心できます。

実務経験が何年か必要だという情報もありますが、決してそうではありません。

大企業などの経理業務を狙うのであれば実務経験も重要視されると思いますが、未経験の方でも経理業務として獲得できる案件はあります。

例えば経理業務のなかでも、記帳業務だけを依頼したい中小企業やフリーランスの方も多いです。

記帳業務だけを行ういわゆる「記帳代行」の仕事は業務のハードルも低いため、必要なスキルや資格さえもっていれば獲得できます。

フリーランス経理のメリット

フリーランスの経理は会社員と働き方が大きく違うので、さまざまなメリットがあります。

【フリーランス経理のメリット】

  • 自分で価値を決めれる
  • 好きな時間や場所で働ける
  • 仕事量をコントロールできる

それぞれ解説します。

自分で価値を決められる

フリーランスの場合、自分の価値を自分で高めていけるのがメリットです。

会社員の場合はどれだけ業務をこなしても、毎月決められた給料が支払われます。

一方でフリーランスの場合は業務をこなせばこなすほど、収入が上がります。

また実績やスキルが高くなっていけば高単価の仕事を獲得できて、割が合わなくなってきた業務に対して単価交渉も可能です。

フリーランス経理は実績や経験をもとに、自分で価値を高めて収入を上げていけるのでやりがいがあります。

好きな時間や場所で働ける

フリーランスの経理業務はパソコン1台あれば作業ができるので、時間や作業場所にとらわれない働き方ができます。

経理の契約方法は月に何時間という契約が多いのですが、ほとんどの場合業務を行う時間帯は自由に決められます。

ただし好きな場所で作業ができるとはいえ、フリーランス経理の方がカフェで作業するのはおすすめしません。

なぜならクライアントの事業収支に関わる重要な作業を行うので、第三者が簡単にパソコンを覗ける環境で作業を行うべきではないからです。

フリーランスは好きな時間や場所で働けることが魅力ですが、クライアントの重要な情報を持っているという意識は常にもっておきましょう。

仕事量をコントロールできる

フリーランス経理の場合、引き受ける仕事量を自分でコントロールできることがメリットです。

最初はどんどん仕事を引き受けて実績や経験を積んでいき、仕事の単価を上げていけば仕事量を減らしても以前と収入を維持、またはアップもできるでしょう。

会社員は業務を頼まれたら基本的にしなければなりませんが、フリーランスは自分で作業時量をコントロールできて業務に見合った報酬を受け取れるのでストレスフリーです。

フリーランス経理のデメリット

フリーランス経理は自由な働き方が魅力的だからこそ、デメリットもあります。

【フリーランス経理のデメリット】

  • 収入が不安定
  • 社会保障が薄く負担が大きい

それぞれ解説します。

収入が不安定

フリーランス経理は案件を獲得できなかったら収入が入ってこないため、不安定な収入がデメリットです。

とくにフリーランスになったばかりの頃はなかなか案件が獲得できず、会社員時代の収入と比較してしまい不安になってしまう方も多いです。

フリーランスとしてある程度安定した収入を得るためには、実績や経験も必要になってくるでしょう。

社会保障が薄く負担が大きい

フリーランスになると会社員に比べて社会保障の負担が大きくなり、保障内容が薄くなってしまうのもデメリットです。

例えば会社員は会社が健康保険料を半分負担してくれますが、フリーランスは全額負担しなければなりません。

さらに会社員はケガや病気などで長期間働けなくなった場合、健康保険で傷病手当金の支給を受けられますが、フリーランスが加入する国民健康保険は傷病手当金の補償はありません。

フリーランスは病気や怪我になった場合の収入の補償がないので、不安な方は自分で保険に加入などをしておきましょう。

会社員からフリーランス経理になるまでの手順や注意点

会社員の方がフリーランス経理になるまでの手順や注意点を、次の順番で詳しく解説します。

  1. 開業届を提出する
  2. 事業用のクレジットカードを作成する
  3. 引っ越しは済ませておく
  4. 退職後に保険や年金の手続きを行う

開業届を提出する

フリーランス経理になるために、まずは開業届を提出しましょう。

開業届は会社に在籍している間に提出しても問題ありません。

また「開業届を出したら会社にバレるのではないか」という不安を抱くかもしれませんが、バレないので安心してください。

開業届は住んでいる地域の税務署に提出するのですが、わざわざ提出しに行かなくてもオンラインで提出できます。

詳しくは開業届の書き方や提出方法の記事を参考にしてください。

あわせて読みたい
【保存版】フリーランスが開業届を提出するメリットと記入方法 フリーランスが開業届を提出するメリットや記入方法から提出まで完全ガイド!この記事を読めば開業届の知識が無い方でも、あんしんしてフリーランスとして開業できます。

事業用のクレジットカードを作成する

会社を退職する前に、事業用のクレジットカードを1枚作成しておきましょう。

フリーランスになってからクレジットカードを作ろうと思っても、審査に落ちてしまいます。

帳簿付けなどが簡単になるので、クレジットカードはプライベートと事業で使い分けするのがおすすめです。

まだクレジットカードを持っていない方は、会社員のうちにクレジットカードを作成しておきましょう。

引っ越しは済ませておく

引っ越しを考えている方も、会社員の間に引っ越しを済ませておきましょう。

クレジットカード同様に、賃貸の審査も落ちてしまう可能性が高いからです。

フリーランスは安定した収入を証明できないため、収入に関する審査は通りにくいのが現実です。

審査が必要なものに関しては、会社員のうちに済ませておきましょう。

退職後に保険や年金の手続きを行う

保険と年金は退職してから2週間以内に手続きしなければならないので、忘れないようにしましょう。

手続きを忘れてしまったら無保険の状態になり、年金も未納状態になってしまいます。

どちらも区役所の窓口に直接行かなければならないので、平日にいきましょう。

未経験でも大丈夫!フリーランス経理として案件を獲得する方法

企業やフリーランス、個人事業主に対して直接営業をかけて仕事を獲得できるのであれば一番ベストです。

しかし未経験の方がいきなり直接営業をかけるのはハードルも高いですし、仕事を貰える可能性も低いでしょう。

そこで未経験の方でも案件を獲得できる方法を、2つ紹介します。

  • 経理代行サービスに応募する
  • クラウドソーシングを活用する

どちらも直接営業をかけるよりもハードルが低く、案件を獲得しやすいので挑戦してみましょう。

経理代行サービスに応募する

未経験の方は、経理代行サービスにスタッフとして応募する方法がおすすめです。

必須スキルも比較的少なく、社会経験さえあれば経理としての実務経験は問わない所も多いです。

経理代行サービスは多くのクライアントをかかえているので、採用されれば安定して仕事がもらえるでしょう。

例えばさまざまな代行業務を行っているオンラインアシスタント「フジ子さん」も、経理事務の募集を行っているのでチェックしてみましょう。

フジ子さんの募集要項を見てみる

クラウドソーシングを活用する

クラウドソーシングに登録すれば、さまざまな経理業務の依頼に対して応募可能です。

クラウドソーシングはフリーランスの方も依頼を出していることが多いので、未経験の方でも比較的案件を獲得しやすいです。

またクラウドソーシングは実績や口コミが目に見える形で増えていくので、案件を獲得しやすくなっていきます。

可能な限り多くの案件を探すためにも、複数のクラウドソーシングを登録しておきましょう。

クラウドソーシングでおすすめはランサーズとクラウドワークスです。

ランサーズに登録する

クラウドワークスに登録する

初心者向け!経理の知識を深めてスキルアップする方法

経理未経験の方でも実践しやすい勉強法、スキルアップの方法を3つ紹介します。

  • 書籍で勉強する
  • YouTubeで勉強する
  • 通信講座を活用する

いずれも経理の知識がゼロでも理解できる内容になっているので、自分に合った方法を活用してください。

書籍で勉強する

自分のペースで勉強したい方は、書籍を購入して勉強すると良いでしょう。

全く知識がない人でも理解できるような書籍は多く、動画でも解説してくれる書籍もあるので費用を抑えて勉強できます。

簿記の知識を勉強したい方、日商簿記の資格を取りたい方におすすめの本は、横澤ななみさんが執筆している簿記の本です。

この記事を書いている著者も簿記3級を取る際に、横澤ななみさんの本を参考にしました。

知識ゼロでも非常にわかりやすく、動画やスマホでも勉強できる工夫をされているのでおすすめです。

横澤ななみさんの簿記の書籍を見る

YouTubeで勉強する

書籍で勉強するのが苦手な方はYouTubeで勉強すると良いでしょう。

個人的には簿記の勉強は、文章だけだとつまづきやすい箇所が多いと思っています。

そんなときも動画を見ればすんなりと理解できたので、書籍と合わせて活用すると良いでしょう。

YouTubeで簿記を勉強するなら「ふくしままさゆきさん」が配信している簿記の動画がおすすめです。

初心者の方が簿記で一番つまづく「仕訳」に関しても非常にわかりやすい解説ですし、解説動画のあとは必ず実践を行う時間があるので、聞くだけではなく仕訳作業もしっかり身につきます。

著者もふくしままさゆきさんのYouTubeを見ることで、いまいち理解できていなかった部分が解決しました。

ふくしままさゆきさんのYouTubeを見る

通信講座を活用する

簿記の資格を取りたい方、わからない点を教えてもらいたい方は通信講座がおすすめです。

通信講座は簿記の資格を取得することにカリキュラムが組まれているので、独学で勉強するよりも効率良く勉強ができます。

ほとんどの通信講座が何度でも質問できるようになっているので、わからない所もすぐに解決できるでしょう。

通信講座での勉強をするのであれば、サポート体制が充実しているクレアールがおすすめです。

何度も質問できるのはもちろんのこと「簿記が合格できなかった」「当日受験できなかった」という場合でも、延長してWeb講義が受講できる保証が付いています。

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著者の知人も、クレアールを活用して簿記に合格しています。

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フリーランス経理は需要が高く未経験でも挑戦可能

フリーランス全体の割合からすると、経理を専門として稼いでいる人は4.6%以下と非常に少ないです。

しかし経理業務をアウトソーシングしたい企業の方やフリーランスの方は多いので、需要は高い職種といえるでしょう。

そのため未経験の方でも経理の知識を身につければ、実務経験が無くとも案件獲得は可能です。

まずは最適な勉強法で簿記の資格を取り、経理の知識を深めたら経理代行サービスやクラウドソーシングで案件獲得を目指しましょう。

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